日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
特集:血友病患者のQOL向上を目指して
血液凝固異常症全国調査から血液凝固異常症レジストリへ
瀧 正志
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 35 巻 1 号 p. 11-16

詳細
抄録

現行の血液凝固異常症全国調査は,厚生労働省の委託事業として(財)エイズ予防財団により2001年度から実施され,2023年現在も継続中である.血友病,von Willebrand病,類縁疾患などわが国の血液凝固異常症患者の実数把握,HIV感染症,肝炎(特にC型肝炎),定期補充療法などの出血抑制治療,凝固因子製剤およびnon-factor製剤,インヒビター,頭蓋内出血,生活習慣病,血栓症,死因などについての貴重な情報が毎年報告されている.しかしながら,本調査は単年度調査であり,各年の患者数は推定連結のため正確な患者数の把握はできておらず,正確に個人を追跡できないことが最大の欠点であった.この不備を補い,personal health record機能も将来的には実装予定の新たな血液凝固異常症レジストリが,今後,日本血栓止血学会,血友病患者会,製薬会社の3者の共同研究として開始される.

著者関連情報
© 2024 日本血栓止血学会
前の記事 次の記事
feedback
Top