熱板焼きにおける食品の加熱時間を簡便に推算する方法として非定常熱伝導の解を適用することを、鶏挽肉、卵白ゲルおよびパンケーキ生地を用いて検討した。試料の熱伝導率は、ChoiとOkosのモデルで推算した。鶏挽肉と卵白ゲルでは、初期温度における熱物性値を用い、解から得られる時間に水分蒸発を考慮した時間を加算することで実測値に近い近似値が得られた。実測値と近似値との差は-4.0±7.1%の範囲内であった。膨化食品であるパンケーキ生地では、加熱膨化後の気泡の体積分率および平均温度での熱物性値を用いることで、ある程度の近似が得られた。ただし、熱伝導率は水蒸気の潜熱移動を含んだ崎山と矢野のモデルを使用する必要があった。