温熱的に快適な枕を設計するためには、充填材料の熱・水分・空気の移動特性を定量的に捉える必要かある。本研究では、ポリエステル、羊毛、パンヤ、麻などの繊維材料、羽根、そばがら、ポリエチレンのパイプや中空ビーズ、小石や小豆など、現在用いられている枕充填材料の有効熱伝導率、通気抵抗、水分移動を伴う熱移動特性などを測定した。繊維状充填材料の有効熱伝導率は、他と比較して小さく、また通気抵抗か大きいことや、ポリエチレンの中空粒子は通気抵抗が特に小さいなど、各種充填材料の特徴を明らかにするとともに、充填材料の形態や材質、空隙形態などとの関連について枕充填材料の設計の観点から考察を行なった。