熱物性
Online ISSN : 1881-414X
Print ISSN : 0913-946X
ISSN-L : 0913-946X
論文
ポリエチレンオキシド薄膜の相転移に対する膜厚の影響
岩佐 真行江本 奏若色 龍太西村 晋哉吉田 博久
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 26 巻 4 号 p. 203-208

詳細
抄録

ポリエチレンオキシド(PEO)薄膜の構造と相転移に対する固体基板界面の影響をDSCとAFMで検討した。膜厚の減少に伴い相転移温度が低温側にシフトした。溶媒キャストから形成した結晶は溶媒蒸発と結晶析出の過程で配向の異なる結晶ラメラが形成され、DSCに複数の融解ピークが観察された。冷却結晶化した薄膜では厚みが均一で基板に平行な面内方向に成長する樹枝状構造が観察され、DSC昇温曲線で単一な融解ピークを示した。重合度の低いPEO薄膜は試料質量が10μg以下(膜厚では200nm以下)になると、溶融状態からの冷却過程で結晶化が困難になり、その後のDSC昇温曲線に融解ピークが観測されなかった。

著者関連情報
© 2014 日本熱物性学会
前の記事
feedback
Top