熱物性
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クロロエタン,1,1-ジクロロエタン,1,2-ジクロロエタンおよび1,1,1-トリクロロエタンの蒸気の空気,窒素および酸素に対する拡散係数
松永 直樹
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2017 年 31 巻 2 号 p. 81-88

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抄録

クロロエタン(CH3CH2Cl),1,1-ジクロロエタン(CH3CHCl2),1,2-ジクロロエタン(CH2ClCH2Cl)および1,1,1-トリクロロエタン(CH3CCl3)の蒸気の乾燥空気,窒素および酸素に対する拡散係数を,温度範囲303 K~453 Kにおいて大気圧下でTaylor分散法を用いて測定した.本研究で測定したすべてのクロロエタン類について,乾燥空気を窒素または酸素で置き換えても拡散係数の値は事実上変化しないことがわかった.また,拡散係数の値はクロロエタン類の分子量の増加とともに小さくなる.測定結果は,D = ATBの形の相関式で再現することができる.ここで,D (cm2s-1)は101.325 kPa (1 atm)における拡散係数,T(K)は絶対温度である.係数AおよびBの値は,クロロエタン-(空気,窒素,酸素)系に対してはA = 8.90×10–6B = 1.67,1,1-ジクロロエタン-(空気,窒素,酸素)系に対してはA = 1.04×10–5B = 1.61,1,2-ジクロロエタン-(空気,窒素,酸素)系に対してはA = 1.14×10–5B = 1.59,1,1,1 -トリクロロエタン-(空気,窒素,酸素)系に対してはA = 1.07×10–5B = 1.58である.

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© 2017 日本熱物性学会
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