2018 年 32 巻 4 号 p. 157-164
血糖値(血液中グルコース濃度)は通常約110mg/dL以下と低濃度領域にあり,その濃度変化に伴う物性値変化は微小である.本論文では,血糖値に対応するグルコース微小濃度変化の非接触センシング技術開発に向けて,まずグルコース水溶液濃度変化に対する物性値の相対変化率を調査し,最大変化率を持つ旋光度に着目した.そして,回転位相子法と呼ぶ非接触な旋光度測定装置を新たに開発し,低濃度領域においてグルコース水溶液の約100mg/dLの濃度分解能を達成した.またグルコース以外の生体内旋光性物質の影響を考慮し,2波長の光源を用いて生体内タンパク質とグルコースの混合水溶液の測定を行うことで,多成分系中でのグルコース濃度分離手法の提案を行った.