2022 年 53 巻 3+4 号 p. 54-58
11歳の雌猫、体重3.3 kgが、左眼の瞬膜自由縁に形成された小さな腫瘤からの出血を主訴に受診した。腫瘤は急激に増大し悪性腫瘍が疑われたため、60日後に半導体レーザーメスを使用し摘出した。切除した腫瘤は卵円形を呈し、長径9 mm、短径4 mmであった。病理組織学的検査で、腫瘤は扁平上皮癌と診断された。術後16日目からトセラニブリン酸塩を隔日で76日目まで、βグルカン製剤は術前の早い段階から161目まで経口投与した。術後578日経過するが再発は見られず、良好な状態を維持している。