日本獣医麻酔外科学雑誌
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短報
大動脈弁逆流と左室流出路狭窄が併発した犬に対して観血的動脈血圧測定を用い術中循環管理を実施した一例
田村 純大山 紀彦三木 伸悟中村 健介木之下 怜平奥村 正裕
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キーワード: 大動脈弁逆流, 血圧管理,
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2023 年 54 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

中等度大動脈弁逆流(AR)、軽度僧帽弁逆流および動的左室流出路閉塞を併発する雑種犬に肛門嚢腫瘍摘出術を全身麻酔下で実施した。麻酔中は観血的動脈血圧(IABP)測定を実施し、平均および拡張期血圧低値を特徴とする低血圧からARの関与を疑い、アトロピン投与による積極的な心拍数上昇およびドパミン投与で対応した。ARを伴う犬の麻酔中循環管理で、IABPによる評価と人医学の知見に基づいたAR関連性低血圧の治療法は有用と考えられた。

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© 2023 一般社団法人日本獣医麻酔外科学会
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