30日齢のホルスタイン種子牛1頭(雄)が、急性に落ち着きなく寝起きを繰り返し、起立時には腹部を蹴り上げるなどの疝痛症状を示した。排便量は少なく、腹部は進行性に膨満し振盪にて拍水音が聴取された。血液一般検査では、白血球数の著しい増加が顕著であった。腹部X線検査では、ガスが膨満しループ状になった小腸が腹腔内全域に観察された。右〓部切開による試験的開腹では、ガスで膨満した小腸が腹腔内に充満していた。触診にて腸問膜根の約180°反時計方向への捻転を確認し、これを用手的に整復した。術後、症例は速やかに回復した。