日本家畜臨床学会誌
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タンパク質制限給餌により血液成分に改善がみられた牛クローディン-16欠損症の一例
安中 篤史池田 浩希飯塚 優介長縄 直樹安藤 貴朗大塚 浩通朴 天鎬星 史雄小山田 敏文渡辺 大作
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2007 年 30 巻 1 号 p. 10-15

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抄録

クローディン-16(CL-16)欠損症の9ヶ月齢の黒毛和雌牛に対して、腎臓への負担を軽減する目的で粗飼料のみによるタンパク質制限給餌をおこなった。初診時には軽度の貧血と跛行、血漿尿素窒素(UN)、クレアチニン(Crea)、総コレステロール(T-chol)およびビタミンA(VA)濃度が高値を示したが、第40病日では血漿UNとT-cholは著しく減少し、血漿CreaとVA濃度は低下したものの依然高値を示した。貧血および跛行は改善した。本症例ではタンパク質摂取量を制限することで、血液成分を改善することができたと考えられた。

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