2024 年 14 巻 2 号 p. 67-72
敗血症では,感染症に対する制御不能な宿主反応に起因して臓器障害が生じる。この病態形成にはさまざまなメディエーターが関与しており,敗血症性急性腎障害ではサイトカインやDAMPsなどの大分子量物質の除去も目的とした持続的血液濾過(continuous hemofiltration:CHF)が施行される。敗血症に対する血液浄化療法の施行条件は,これまでさまざまな報告があるが統一した見解は得られていない。本稿では,①浄化量,②生体適合性,③ヘモフィルターのlife-timeそれぞれの観点から,当院で施行している血液浄化療法を提示し,考察する。臓器障害や臓器不全に至る可能性のある全身状態を“整える”という観点から,生体適合性やヘモフィルターのlife-timeを考慮した,身体に“やさしい”血液浄化の確立を目指していくことが重要である。