獣医臨床皮膚科
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Case Reports
犬の播種状円板状エリテマトーデスの1例
永田 雅彦林宝 謙治南光 弘子
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2004 年 10 巻 3 号 p. 119-124

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抄録
12歳齢,雄のビーグルに,体表リンパ節腫大を伴う顔と四肢を中心とする落屑性脱毛と浸潤性紅斑が認められた。皮膚病理組織では角栓を伴う角化亢進,基底層の液状変性,真皮浅層および付属器周囲のムチン沈着を伴う単核球浸潤が認められた。直接蛍光抗体法で真皮表皮境界に線状のIgG沈着を認めた。血液検査で軽度の貧血と白血球減少がみられたが,抗核抗体は陰性であった。以上より,人に生じる播種状円板状エリテマトーデスに合致したエリテマトーデスと診断した。光線回避,プレドニゾロン経口投与による改善を認めたが,低用量プレドニゾロンによる維持療法が必要であった。
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© 2004 日本獣医皮膚科学会
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