獣医臨床皮膚科
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症例報告
ミニチュア・ダックスフンドにみられた皮膚エリテマトーデスの1例
村山 信雄渡部 英徳永田 雅彦
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2006 年 12 巻 2 号 p. 87-90

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抄録

9歳齢,雌のミニチュア・ダックスフンドに,鼻を除く上唇部,外眼角,肉球,躯幹背側の鱗屑と脱毛,眼囲,陰部の色素脱失と浮腫が生じた。病理組織学的検査で角質肥厚を伴う液状変性がみられ,真皮浅層ではリンパ球を主体とした軽度ないし中等度の単核球浸潤が観察された。血液検査で異常なく,抗核抗体検査は陰性であった。以上より,非定型的な皮疹を呈した皮膚エリテマトーデスと診断した。ステロイドパルス療法としてトリアムシノロン内服で導入後メチルプレドニゾロン内服に移行,さらにアザチオプリン内服の併用により軽快したが,休薬後長期家人不在時に再発した。同様の治療にて軽快休薬,環境療法の併用により皮疹の新生を認めていない。

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© 2006 日本獣医皮膚科学会
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