獣医臨床皮膚科
Online ISSN : 1881-2236
Print ISSN : 1347-6416
ISSN-L : 1347-6416
原著
本邦の犬猫におけるエッセンシャルオイルと必須脂肪酸を配合したスポットオン製品の皮膚美容効果
Bensignor Emmanuel園尾 美子浅野 敦男大室 農夫竹谷 元喜安藤 純永田 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 15 巻 1 号 p. 19-26

詳細
抄録

エッセンシャルオイルと多価不飽和脂肪酸を配合したスポットオン製品の皮膚美容効果に関するオープン試験を,本邦の犬24頭と猫8頭を対象とし,犬は最終的に22頭を評価した。試験薬を単独ないし,試験前より使用されていた評価に影響しない治療の補助として週1回合計4回滴下し,人の美容製品の評価に使用される方法で検討した。治療前と治療30日後の被毛の光沢,脱毛,落屑,体臭,皮膚バランス(乾性と油性)をスコア化し,それぞれの徴候における試験前後の改善率(改善率),有効症例数(有効率)を検討した。犬では被毛の光沢が改善率;+40%,有効率;73%,脱毛が改善率;+51%,有効率;77%,落屑が改善率;+36%,有効率;55%,体臭が改善率;+36%,有効率;50%,皮膚バランスが改善率;+31%,有効率;64%,猫では被毛の光沢が改善率;+64%,有効率;75%,脱毛が改善率;+64%,有効率;88%,落屑が改善率;+67%,有効率;88%,体臭が改善率;+13%,有効率;50%,皮膚バランスが改善率;+52%,有効率;88%であった。改善率は t-検定(p=0.05)により統計学的に検討され,いずれも有意差が認められた。試験実施例において重篤な有害事象はなく,本試験薬は皮膚の美容に有用であることが推察された。

著者関連情報
© 2009 日本獣医皮膚科学会
次の記事
feedback
Top