獣医臨床皮膚科
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症例報告
ゴールデンハムスターに見られたニキビダニ症とドラメクチンによるその治療
佐藤 良彦
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2009 年 15 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

ゴールデンハムスター,雄,25ヵ月齢に約1ヵ月前より略全身の高度な脱毛とかゆみ動作を認めたとのことで当院を受診した。皮膚掻爬物の直接鏡検により多数の Demodex cricetiD. auratiが検出された。ドラメクチン40~60 μgを週1回,6週,皮下注射したところ,臨床症状は劇的に改善し寄生虫も陰性に転じた。28ヵ月齢時に腹部の脱毛とかゆみ動作の再発を認め,病変部から D. cricetiが検出された。ドラメクチン60 μgの週1回,8週投与により虫体は検出されたものの皮膚病変の顕著な改善を認めた。著者の知る限り,本稿はハムスターに発症したニキビダニ症において,ドラメクチンを用いた最初の治療報告である。

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© 2009 日本獣医皮膚科学会
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