獣医臨床皮膚科
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短報
PCR法で皮膚鶏痘ウイルス感染症と診断されたスズメの1例
渡辺 征並河 和彦圓尾 拓也茂木 知子小林 亮介役山 多佳志久末 正晴土屋 亮代田 欣二
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2009 年 15 巻 1 号 p. 39-41

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抄録

衰弱した野外のスズメに多発性結節性皮膚病変を認めた。皮膚病変部の病理組織検査では,高度の表皮過形成が認められ,風船化したケラチノサイトにfowlpoxvirus(FPV)感染症を示唆する好酸性細胞質内封入体が認められた。皮膚発痘部と肝臓,肺臓,腎臓,気管,頚部からゲノムDNAを抽出し,FPVの 4b遺伝子の419 bp断片をターゲットとしてnested PCRを行った結果,皮膚病変部のみがPCR陽性を示した。さらに,2nd PCR産物の塩基配列を検索したところ,FPVの4b遺伝子配列と97.7%のホモロジーが確認された。このことから本症例をfowlpoxvirus感染症と診断した。

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© 2009 日本獣医皮膚科学会
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