2011 年 17 巻 1 号 p. 7-13
犬のSurvivinはアポトーシス抑制因子と考えられ,犬の腫瘍マーカーとしても報告されている。本研究では,犬の皮膚リンパ腫とエリテマトーデス(LE)に対して,抗Survivin抗体による免疫組織化学染色を行い,Survivinの発現と疾患との関連を調べるとともに,Survivinが両疾患を鑑別する腫瘍マーカーとして利用できるかどうか検討した。犬の皮膚リンパ腫19症例,LE 11症例すべてにおいても,核および細胞質でSurvivinの発現を確認した。Survivinの陽性率と染色強度より求めたSurvivinスコアでは,両疾患の間に有意差を認めなかった。