獣医臨床皮膚科
Online ISSN : 1881-2236
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原著
CD3陽性・Pax5陽性リンパ球は犬の胸部から採材された正常皮膚の表皮や付属器上皮からは検出されなかった
Mitzi D. ClarkDanny W. ScottLongying DongSean P. McDonough
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2012 年 18 巻 4 号 p. 233-237

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抄録
健常な表皮には少数のT細胞が常在することが,これまでヒト,マウス,ウシおよびヒツジで報告されている。しかしネコやウマでは,同様の細胞は表皮や付属器上皮に認められない。そこでイヌの表皮や付属器上皮におけるリンパ球,CD3陽性細胞(T細胞)ならびにPax5陽性細胞 (B細胞)の存在を調べるため,29頭のイヌ胸背部から生検により採材した健常皮膚を組織学的および免疫組織化学的に解析した。その結果全ての組織において,前述の細胞はいずれも認められなかった。以上より,健常イヌの表皮にはリンパ球はほとんど認められないか,存在してもごくわずかな数であることが示唆された。
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© 2012 日本獣医皮膚科学会
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