2014 年 20 巻 3 号 p. 147-151
4歳,Nigerian Dwarf種のヤギが生後3週より気づいたかゆみを伴わない落屑性皮疹を主訴に受診した。本症例では臨床的に,大型白色で非固着性の鱗屑を略全身の皮膚に認めた。皮膚病理組織学的には非炎症性病変の所見を呈し,稠密な正角化性の角化亢進が認められた。本症例ではビタミンAの経口投与により鱗屑が85%減弱し,有害事象に関する報告は聴取されなかった。本症例はヤギに発症した魚鱗癬に関する初めての報告である。ビタミンAの経口投与はヤギに発症した魚鱗癬の管理に有効と考えられた。