2015 年 21 巻 2 号 p. 77-80
本稿では,稟告および病理組織学的所見が熱傷と合致した犬および猫の3例を経験したので報告する。症例1は犬で,背部に個在性の潰瘍および皮膚壊死が認められた。症例2は犬で,左肩甲部に潰瘍および皮膚壊死が認められた。症例3は猫で,下腹部および側腹部に脱毛,紅斑などが認められた。病理組織学的所見には,症例1と症例2ではⅢ度熱傷を,症例3では深達性Ⅱ度熱傷を疑わせる所見であった。いずれの症例でも稟告により,発症前に病変部が熱源と接触したという病歴が聴取されたことから,本症例を熱傷と診断するに至った。