抄録
近年, 埋め立て地周辺や磯焼け対策として, 投石や嵩上げによる基盤造成や種苗移植による藻場造成が行われるようになってきた.その際, 種苗の着生基盤として人工構造物を設置することがあるが, 材質や形状についての検討は, 表面が平滑であるよりも, 凹凸がある方がよいという程度で, 詳しい知見は数えるほどしかない.本実験では, 熊本県八代湾の人工島護岸において海藻の着生基質 (藻場造成促進用プレート) を取り付けたブロックを敷設し, 約2年間追跡調査して, 着生した海藻やその他の着生生物の状況を多様性や基盤ごとの類似性から定量的に評価し, 藻場造成手法の有効性を比較検討した.