2017 年 23 巻 1 号 p. 9-12
一般家庭で飼育されている猫216頭を対象に,皮膚病変の有無に関係なく培養法により皮膚糸状菌を検出した。調査した1.4%(3/216)の猫から皮膚糸状菌が検出された。皮膚病変の有無や猫の年齢(1歳齢未満と1歳齢以上),室外での行動の有無,被毛の長さの違い(長毛と短毛)は,検出率に影響しなかった。検出された皮膚糸状菌は,キチンシンターゼ1(CHS 1)遺伝子をターゲットとしたPCR産物によるシーケンス解析で,いずれもMicrosporum canisと98~100%一致することが確認された。