2017 年 23 巻 2 号 p. 57-61
Mohsペーストは体表の切除不能な悪性腫瘍に対し,出血や排膿,悪臭などの症状のコントロールに用いられている。しかし,粘調度と粘着性が高く,患部への塗りにくさが指摘されており,Mohsペーストをガーゼに塗布し貼付することで患部への塗りやすさを改善したMohsガーゼ法が考案されてきた。今回我々は,自壊した犬の乳腺腫瘍に対しMohsガーゼ法を用い腫瘍の大幅な減容積を行った。本手法が動物でも塗りにくさの問題を改善するだけでなく,様々な形の腫瘍に対し応用可能であることが示唆された。