2018 年 24 巻 4 号 p. 211-214
1歳齢,避妊雌のヒマラヤンの側腹部,尾根部,前胸部に外傷性脱毛がみられ,体幹触診時に過剰な舐め行動が誘導された。プレドニゾロン,選択的セロトニン再吸収阻害薬,神経障害性疼痛治療薬にて改善するも,プレドニゾロン休薬に合わせ再発を繰り返し,その後認められた落屑性脱毛からDemodex gatoiを検出した。フルララネル製剤を投薬し2ヶ月後に軽快,D. gatoiも陰性になった。これまで使用していた投薬を終了後外傷性脱毛が再発,フルララネル製剤3ヶ月毎投与とともにプレガバリンとフルオキセチンの再導入により寛解,プレドニゾロンとフルララネル製剤を休薬することができた。D. gatoi寄生とネコ知覚過敏症候群との関係を考察した。