獣医臨床皮膚科
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原著
イヌにおけるイミダクロプリド,モキシデクチン,プラジカンテル経皮投与のLinognathus setosus感染症治療としての有効性
Camilo Romero NúñezPaulina Noyola RodríguezLucia Hernández CarreónArmando Pérez HernándezMariana Arango PeñaAriadna Flores Ortega
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キーワード: , Linognathus setosus, 経皮, 治療
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2024 年 30 巻 1 号 p. 3-7

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抄録

Linognathus setosus(L. setosus)は皮膚症状を引き起こすイヌジラミである。現在,腸内寄生虫および外部寄生虫駆除用の経皮合剤がある(イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテル)。しかし,シラミに対する適応は行われていない。本研究の目的は,イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテル の有効性を評価することである。使用したのはメス3頭,オス2頭の犬5頭で,犬種はボクサー,ピットブル,シュナウザー,雑種である。1日目,7日目,28日目に皮膚学的検査と毛包顕微鏡検査,および糞便の顕微鏡検査(直接および沈降法)を行った。肩,首,背中,頭のシラミの若虫と成虫を初見で数え,光学顕微鏡で確認した。皮膚病変は分類により評価した:0:健康な皮膚,1:軽度,2:中等度,3:重度。そう痒症はvisual analog scale(PVAS)で評価した。評価1日目,すべての動物にイミダクロプリド(10–35 mg/kg),モキシデクチン(2.5 mg/kg),プラジカンテル(25–50 mg/kg)を投与した。L. setosusは5頭,Dipylidium caninumは4頭陽性であった。1日目に病変レベル3,そう痒度8を示した。評価7日目にはL. setosusおよびDipylidium caninumは陰性であり,病変は4頭で1,1頭で2であった。評価28日目まで,L. setosusおよびDipylidium caninumはすべて陰性であった。イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテルの経皮適用は,L. setosusとDipylidiumの防除に有効で,副作用は見られなかった。

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© 2024 日本獣医皮膚科学会
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