獣医臨床皮膚科
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原著
  • Camilo Romero Núñez, Paulina Noyola Rodríguez, Lucia Hernández Carreón ...
    2024 年 30 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    Linognathus setosus(L. setosus)は皮膚症状を引き起こすイヌジラミである。現在,腸内寄生虫および外部寄生虫駆除用の経皮合剤がある(イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテル)。しかし,シラミに対する適応は行われていない。本研究の目的は,イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテル の有効性を評価することである。使用したのはメス3頭,オス2頭の犬5頭で,犬種はボクサー,ピットブル,シュナウザー,雑種である。1日目,7日目,28日目に皮膚学的検査と毛包顕微鏡検査,および糞便の顕微鏡検査(直接および沈降法)を行った。肩,首,背中,頭のシラミの若虫と成虫を初見で数え,光学顕微鏡で確認した。皮膚病変は分類により評価した:0:健康な皮膚,1:軽度,2:中等度,3:重度。そう痒症はvisual analog scale(PVAS)で評価した。評価1日目,すべての動物にイミダクロプリド(10–35 mg/kg),モキシデクチン(2.5 mg/kg),プラジカンテル(25–50 mg/kg)を投与した。L. setosusは5頭,Dipylidium caninumは4頭陽性であった。1日目に病変レベル3,そう痒度8を示した。評価7日目にはL. setosusおよびDipylidium caninumは陰性であり,病変は4頭で1,1頭で2であった。評価28日目まで,L. setosusおよびDipylidium caninumはすべて陰性であった。イミダクロプリド/モキシデクチン/プラジカンテルの経皮適用は,L. setosusとDipylidiumの防除に有効で,副作用は見られなかった。

  • 箕内 亜紗子, 森 啓太, 村山 信雄, 大嶋 有里
    2024 年 30 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル フリー

    2014年11月から2022年10月までにTRVA二次診療センター皮膚科および犬と猫の皮膚科で膿皮症と診断した犬において,セファレキシン(153例),ミノサイクリン(100例),ホスホマイシン(184例)の有害反応の発現率について調査した。有害反応の発現率は,セファレキシンで8.5%(13/153),ミノサイクリンで21.0%(21/100),ホスホマイシンで16.3%(30/184)であった。セファレキシンに比べると,ミノサイクリンとホスホマイシンの有害反応の発現率は統計学的に有意に高かった。セファレキシンの有害反応は軟便および下痢(53.8%),嘔吐(46.2%),食欲不振(7.7%)であり,ミノサイクリンの有害反応は軟便および下痢(33.3%),嘔吐(66.7%),食欲不振(28.6%),ホスホマイシンの有害反応は,軟便および下痢(86.7%),嘔吐(26.7%),食欲不振(3.3%)であった。また,無処置で投薬を継続した症例は43.8%,対症療法を加えながら投薬を継続した症例は12.5%,休薬を指示し,休薬のみで軽快した症例は43.8%であったが,休薬したにもかかわらず,症状が続き,対症療法を必要とした症例はいなかった。今回の調査では,年齢,犬種,併発疾患及び処方薬の関与は認められなかった。

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