獣医臨床皮膚科
Online ISSN : 1881-2236
Print ISSN : 1347-6416
ISSN-L : 1347-6416
症例報告
皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫にロキベトマブを用いて長期管理した犬の1例
河口 祐一郎関口 麻衣子岩﨑 利郎
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 31 巻 2 号 p. 89-94

詳細
抄録

皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫と診断された13歳齢ダックスフンドが左側腹部に紅斑,鱗屑,搔痒を認めロキベトマブ10 mg/頭を投与したところ掻痒が消失した。その後も4週間ごとに継続したが徐々に掻痒と皮疹の増悪を認めたことから投与量を増量し30 mg/頭で投与したところ掻痒だけでなく紅斑,鱗屑も消失した。投与量は10 mg/頭ずつ増量し,最終的に50 mg/頭まで増量した。しかし治療開始後769日目に急性膵炎により死亡した。ロキベトマブは本症例の掻痒や皮疹に対し効果を認め,さらに生存期間を延長させた可能性もある。

著者関連情報
© 2025 日本獣医皮膚科学会
次の記事
feedback
Top