2025 年 31 巻 3 号 p. 149-155
犬の脂漏症に対するオゾンバブル浴の効果と安全性に関する比較対照オープン試験を実施した。供試犬14頭に,オゾンバブル発生装置を用いてオゾン濃度0.015 ppmのバブル浴を10分間行った。処置直前,直後(T0),1週間後(T7)の脂漏症,また被毛の光沢,脱毛,落屑,体臭を評価した。統計解析はWilcoxonの符号順位和検定で実施した。試験者が評価した脂漏症に対するオゾンバブル浴の有効率は,T0が92.9%(13例),T7が71.4%(10例)であった。一方,オゾンを含んでいないバブル浴の脂漏症に対する有効率は,T0,T7とも33.3%であった。オゾンバブル浴による脂漏症の改善率は,T0が70.0%(p<0.01),T7が40.0%(p<0.01)であった。またVisual Analog Scaleを用いて,飼い主が本治療効果を評価した。有効率はT0が85.7%,T7が78.6%,また改善率はT0が60.6%(p<0.01),T7が37.9%(p<0.05)であった。本試験期間中に有害事象はなく,試験脱落例もなかった。犬の脂漏症においてオゾンバブル浴は臨床的に有効であることが示唆された。