2025 年 31 巻 3 号 p. 157-162
脂腺炎は原因不明の皮脂腺を標的とした免疫介在性皮膚疾患で,スタンダードプードルや秋田犬で好発し犬種により臨床症状や治療への反応が異なることが報告されている。2010年に報告されたアメリカでのハバニーズの皮膚病内訳によって,ハバニーズが脂腺炎の好発犬種となりうることが指摘された。しかしながら日本ではハバニーズの飼育頭数も少なく,脂腺炎が好発することはあまり知られていない。今回ハバニーズの脂腺炎の症例に複数遭遇しその症例は父親が共通しており,それら治療経過および家系図を報告する。