獣医臨床皮膚科
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原著
犬メラノーマにおける蛍光法の診断的意義
永田 雅彦長谷川 篤彦
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2003 年 9 巻 4 号 p. 159-164

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抄録

10歳齢の雑種犬雄から採取し悪性メラノーマと診断した巨大な口腔内黒色腫瘤と,14歳齢のシェットランド・シープドッグ雌から採取し良性メラノーマと診断した耳介内側の皮膚黒色斑を用いて蛍光法の診断的意義を検討した。組織学的にマッソンフォンタナ染色陽性色素細胞の増殖が認められたこれら検体のホルマリン固定パラフィン標本における蛍光所見を検討したところ,悪性例では色素細胞の一部で蛍光が認められたが,良性例では蛍光を認めなかった。また悪性例の健常黒色口腔粘膜も検討したが色素細胞に蛍光は認められなかった。以上より,犬の悪性メラノーマにおいて色素細胞が人と同様に蛍光陽性所見を示す例があることが確認され,この蛍光陽性細胞の存在が悪性増殖の示標となることが明らかになった。

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© 2003 日本獣医皮膚科学会
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