2011 年 16 巻 1 号 p. 9-13
病理解剖は,個体の死因を明らかにし,治療の良否,外科手術のシュミレーションなど臨床獣医師にとって多くの情報を与えてくれる。また,飼育員も病理解剖に参加すべきと考える。動物の死因を飼育管理や栄養の改善に生かすことができるからである。しかし,臨床獣医師は病理解剖に十分な時間を割けないことがある。本稿では,的確な肉眼的観察,サンプリングを行うための体系的な病理解剖を紹介する。本手順を参考に,人獣共通伝染病などを考慮し,安全で有意義な病理解剖を行っていただきたい。