2011 年 16 巻 2 号 p. 115-119
動物の角膜疾患はよくみられ,原発性,または他の眼科疾患や全身疾患から続発性として起こる。前眼部疾患を診断するためには角膜の生理や特性を知り,またできる限り角膜の検査に特化した機器を用いるのが望ましい。また獣医学領域で扱う動物種はきわめて多岐に渡るため,対象動物の性質,生活環境なども考慮しなければならない。一方仮に診断機材が揃っていたとしても全てが容易に扱える動物ではないため,その動物に応じた診断の方法を工夫しなければならない。限られた検査の中から少しでも有用な情報を獲得するための方法を各現場において創意工夫されることが望ましい。