日本野生動物医学会誌
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特集論文
鳥類骨折治療のちょっとしたコツ
シアノアクリルレートを使った体重200gまでの鳥の骨折の治療法
中津 賞
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2012 年 17 巻 2 号 p. 43-47

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抄録

 体重200g程度の鳴禽類の脛足根骨の骨折において,骨折後3~4日以内であれば,牽引によって整復が可能である。十分に牽引しながら,シアノアクリルレートを羽毛に塗布することで骨折部位を固定する。塗布は遠位および近位の関節運動を阻害しない範囲に留める。エリザベスカラーを装着し,直ちに止まり木のあるケージに収容して自由運動をさせる。10日後にエリザベスカラーを除去する。この新しい手技は鳴禽類の大腿骨,中足骨,指骨の骨折時にも応用できる。体重が200gを超える鳥では骨髄内釘固定法,創外固定法が強度の点から推奨される。

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© 2012 日本野生動物医学会
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