2015 年 20 巻 2 号 p. 35-40
学会創立20年を経て動物園にアカデミックな基盤が構築されたかというと,残念ながら未だに不十分な状態にあると言わざるを得ない。この現状を打開するために『動物園学(Zoo Science)』を興す必要があると考えている。動物園学とは,動物園に関連する理系のみならず文系の学問分野を相互に連関させることで構築される総合的な学問体系である。この新たな学問領域をアカデミアに認知させ,本邦の文化として定着させることができれば,動物園が科学の場であることが当然のように受け入れられるであろう。日本の動物園を進化させるためにも,動物園における学術研究の日常的努力を怠ってはいけない。