1998 年 3 巻 1 号 p. 43-47
アフリカタテガミヤマアラシとパカに8頸椎を認めた。アフリカタテガミヤマアラシの8頸椎は, 7頸椎例に比べて胸椎数が1個減少していたことから, 第一胸椎の頸椎化によるものと考えられた。一方, パカの8頸椎は, 7頸椎例に比べて腰椎数が1個減少していたことから, 胸椎全体の前方変異が考えられた。原因としては, 近親交配による遺伝子異常の可能性が示唆され, タテガミヤマアラシの8頸椎例ではHoxb-5からHoxa-6にかけて, パカの8頸椎例ではさらにHoxc-8からHoxa-10にかけての異常が重複して起きたことによるホメオティック変異の可能性が考えられた。