日本野生動物医学会誌
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特集
日本における海の哺乳類の現状と人間との関係
石川 創西脇 茂利
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2000 年 5 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

世界の海産哺乳類は鯨類が79種, 鰭脚類が34種, 海牛類が4種の他, ラッコ, ホッキョクグマなどの食肉類が3種知られている。このうち日本の近海には, 鯨類としてヒゲクジラ8種ハクジラ28種の計36種, 鰭脚類7種の他, ラッコ, ジュゴンが生息する。これら海の哺乳類, 特に鯨類と人間の関わり合いとしては, 見方によっても変わるが, 1.自然現象としてのストランディング, 2.捕鯨, 混獲など漁業活動での捕獲, 3.水族館での飼育展示, 4.ホエール・ウォッチング, 5.野外での調査研究, などが挙げられる。これらのうち野生動物医学という観点からは, 傷病野生個体の保護治療(1, 3), 野生個体群の管理(2, 5), 野生動物生態の研究(3, 4, 5)等が取り組むべき課題として挙げられる。

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© 2000 日本野生動物医学会
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