日本野生動物医学会誌
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研究短報
慢性的な食欲低下・衰弱を呈し斃死したラッコの2例の病理的検索
永山 良子田島 木綿子島田 章則森田 剛仁巖城 隆浜村 大助上川 真美澤 禎心
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キーワード: ラッコ, 心不全, 肝不全
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2000 年 5 巻 1 号 p. 111-114

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抄録

同一環境下で飼育され, 慢性的な食欲不振と衰弱を示して死亡したラッコ2例について病理学的検索を行った。1例では, 心臓で巣状の心筋変性, 消失および線維化, 肺で高度なうっ血性肺水腫が認められた。これらの所見から, 心機能不全による循環障害に起因する肺のうっ血性水腫が直接の死因と考えられた。また他の1例では, 肝細胞の変性壊死を伴う肝線維症が著明であり, 死因として肝機能障害が疑われた。

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© 2000 日本野生動物医学会
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