抄録
ニュークレオリンは硝酸銀で染色されるAgNORsの主要構成蛋白のひとつである。今回我々はアポトーシス誘導細胞におけるニュークレオリンとAgNOR蛋白の変化を調べた。オカダ酸によりアポトーシスを誘導されたヒト骨芽細胞様細胞、Saos-2とMG63においてAgNOR蛋白とニュークレオリンは分解され、核から消失した。アポトーシス誘導に伴い110kDaのAgNOR蛋白が減少し、新たに80kDaの蛋白が出現した。同様にウエスタンブロッティングにおいてもニュークレオリンは分解されて80kDaの蛋白が出現した。AgNOR蛋白とニュークレオリンは細胞増殖に関係する。今回の結果はAgNOR蛋白とニュークレオリンの動向が悪性腫瘍の予後判定だけではなく、アポトーシス誘導の指標としても有用であることを示唆する。