抄録
重度心身障害者の歯科治療は治療や維持管理の困難性から、多くは充填か抜歯に代表される.治療の度にこれらを繰り返すことから、次第に歯を喪失していくのが現状である.しかし、その欠損部は補綴されず、放置される事が多い.その結果、残存歯の負担が過剰になり咬合崩壊が進んで行き、最終的にすれ違い咬合や無歯顎になってしまう事が多いと思われる.口腔インプラントはプラークコントロールが期待できない心身障害者に対して禁忌とされてきた.しかし、定期的なPTCや介護者等の協力により口腔衛生環境を維持することも可能である.ダウン症患者の欠損部補綴に口腔インプラントを応用した.4年半が経過した現在も良好に機能しているので報告する.