我々は平成10年より学童を対象とした歯周疾患と口呼吸に関する調査を行ってきた。その結果、最近の学童において口唇閉鎖不全が多く認められることや、口唇閉鎖不全の学童には前歯部唇面のプラークの付着や歯肉の炎症が強く、口呼吸兆候が多く認められることがわかった。またその口唇閉鎖不全には鼻閉塞の関与が少ないことなども確認された。最近の若年者に多く見られ、歯周疾患のリスクファクターである口呼吸の兆候と考えられる口唇閉鎖不全には口唇閉鎖力の低下も関与しているといわれているが、それらの関連性についての報告は少ない。そこで今回、我々は学童を対象とした調査において、歯周病学的パラメーターと口唇閉鎖力との関係について調べ、結果について検討を行ったので報告する。