2003 年 53 巻 9 号 p. 435-440
数年前には,電子ブックの急速な成長が見込まれていたが,そのような電子ブック革命は大きく後退してしまった。多くのプレイヤーが退場したが,電子ブックが死滅したわけではない。例えば,学術・研究領域のような,いくつかの電子ブックの領域においては,生存し続けているといえる。電子ブックのプレイヤーは,学術プロジェクト,学術出版社,アグリゲーションサービス,商業出版社,ソフト会社の5つのグループに分類できる。最近の特徴としては,アグリゲーションサービスと学術出版社が電子ブックのサービスを拡大していることがあげられる。電子ブックの発展の方向性について,オリジナル書籍間の連携,情報検索機能,他の情報源とのリンクなどの視点から考察した。