2009 年 59 巻 1 号 p. 13-17
理工医学系の学術論文誌を中心に電子ジャーナルが浸透したが,電子ジャーナル化が日本の論文誌にどのような結果を与えたかを,日本化学会論文誌の電子化のこれまでを総括しながら述べる。電子ジャーナル化によって出版期間短縮など一定の成果は出たものの,論文誌の根本的な評価の改善には至っていない。また,国産電子ジャーナルを取り巻く様々な環境の変化によって,日本はグローバル化の中でアジアのイニシアチブを実際に取らなければならない状況にある。そして,研究者にとって国産ジャーナルの在り方が改めて問われている状況にあることを述べる。