沖縄県は,戦後から本土復帰前までの米軍統治下における琉球政府時代(1952年-1972年)の公文書約16万簿冊のデジタル化を平成25年度より進めており,デジタル化した資料画像をインターネット公開する事業を進めている。膨大な量の近現代公文書をデジタル化し,デジタル・アーカイブズシステムによりインターネットで公開する事例は日本国内で類を見ない。近現代の歴史資料のネット公開における課題は,個人情報や著作物等が含まれる資料をどのように取り扱うかという点であり,資料年度が新しい近現代の資料であるからこそその特徴は顕著に表れる。本稿では,平成27年度の資料公開で直面した課題整理とその対応方針,及び平成28年度の展望について記述する。