2019 年 69 巻 2 号 p. 73-77
企業博物館に求められる役割は多岐にわたり,その在り様も各館さまざまに模索が続けられている。帝国データバンク史料館は,信用調査業の歴史を展示する企業博物館として,社内外に対し「開かれた史料館」・「保存する史料館」・「支援する史料館」の三つの役割を果たしている。特に,社外支援にあたる大学ゼミとの合同勉強会,特別企画展等の産学連携の取り組みは,当館の保有する資料とデータを研究活用し,成果発表の場を提供するもので,史料館独自の活動として大きな成果をあげてきた。今後は,専門博物館としての特色を改めて自覚し,活用の実績と可能性を社内外により積極的に発信していくことが求められる。