2020 年 70 巻 3 号 p. 112-115
わが国における女性研究者比率は欧米諸国と比べて低く,女性研究者が能力を最大限に発揮できるよう,研究と出産・育児等の両立に配慮した措置を拡充する取組みが行われてきた。これら様々な取組の結果,女性研究者の割合は近年上昇傾向にあるものの諸外国と比べると未だに低い。大学や研究機関において,多くの技術者や研究者が活躍しているが,若手研究者および研究支援人材の育成は取組むべき最も重要な施策の一つである。大学運営費交付金の削減や競争的研究資金の拡充により,非正規の特任教員,任期付きの博士研究員等が増加し,これら状況は科学技術の国際競争においてわが国の立場を大きく左右すると考えられる。