2021 年 71 巻 3 号 p. 129-135
本研究は,コモディティ化した掃除機市場を対象とし,新規参入の成功例として国外企業2社(サイクロン掃除機:ダイソン社,ロボット掃除機:アイロボット社)に着目し,掃除機市場で高いシェアを獲得した要因を明らかにするために,特許,意匠,商標,新聞・WEB情報を収集し分析を進めた。分析の結果,ダイソン社は掃除機市場のサイクロンのカテゴリ,アイロボット社はロボット掃除機のカテゴリにおいて,シェア拡大と同時に特徴的な出願を行っていること,後発類似製品の出現を許しているものの,追随させない高いシェアをブランド力によって確保していることが明らかになった。そこで,対象企業の知財戦略について,戦略展開マップとSWOT分析により考察を行った。