関西医科大学雑誌
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小児期の腸内細菌叢の形成:新生児期の分娩様式と栄養法が及ぼす影響
赤川 翔平赤川 友布子辻 章志金子 一成
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2020 年 71 巻 p. 7-13

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抄録

腸内細菌叢とはヒトの腸管内で一定のバランスを保ちながら共存している多種多様な細菌集団である.近年,次世代シークエンサーによる遺伝子解析技術の進歩に伴って腸内細菌叢の研究が加速している.腸内細菌叢は新生児期(あるいは胎児期)から形成され3歳までに成人同様となるが,様々な要因でその構成は乱れ,小児期・成人期の疾患発症と関連する.したがって乳幼児期の腸内細菌叢の構築過程に関する知識と理解はヒトの健康増進を考える上できわめて重要である.しかし,腸内細菌叢に影響を及ぼす因子は数多くあり,まだ不明な点も多い.今回,分娩様式や栄養法が新生児の腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した筆者らのデータを中心に小児期の腸内細菌叢について紹介する.

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© 2020 関西医科大学医学会
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