関西医科大学雑誌
Online ISSN : 2185-3851
Print ISSN : 0022-8400
ISSN-L : 0022-8400
14年の臨床経過をとった孤発性Parkinson病の1剖検例
四方 伸明新宅 雅幸段原 直行島野 直人今井 俊介森井 外吉螺良 愛郎
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 56 巻 2-4 号 p. 185-192

詳細
抄録

14年の臨床経過をとった孤発性Parkinson病の1剖検例を報告する。症例は81歳男性で,生来健康であったが,63歳頃に体重滅少を自覚し糖尿病の診断をうけた.67歳時に歩行のこわばりを来し,MRIにより脳動脈硬化症と放射冠や視床に多発性の小梗塞が見出され,神経学的検査もふまえて脳血管性パーキンソニズムと診断された.治療にもかかわらず,パーキンソニズムは緩徐に進行し,歩行障害を来してから14年の経過で肺炎を併発し,心肺機能停止により死亡した.剖検によると,肺はMRSAによる肺膿瘍と成人呼吸窮迫症候群像を呈しており,神経病理学的には黒質緻密帯や青斑核の神経細胞の著明な脱落と残存ニューロンにLewy小体がみられた.Lewy小体はこの他マイネルト基底核,扁桃核,動眼神経核,背側縫線核や下垂体後葉とともに,末梢では副腎髄質,心臓神経叢や腸管神経叢にもみられた,よって,家族歴のないことから,呼吸不全により死亡した孤発性の特発性Parkinson病と診断した.

著者関連情報
© 関西医科大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top