脂質栄養学
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総説
リノール酸摂取の適正量(十分量)、上限量についての提案
奥山 治美
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2008 年 17 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

2002年に日本脂質栄養学会はリノール酸過剰摂取の害を認め、日本人のリノール酸摂取量(5∼6エネルギー%)を減らす方向に転換すべきであるとした。その後、栄養学のガイドラインが推奨量(RDA, recommended dietary allowance)、 適正量あるいは十分量(AI, adequate intake), 目標量(DG, dietary goal) や上限量(UL, upper limit)などで示されるようになったので、本会でもこれらの指標に対応した数値を検討することを提案する。たたき台として筆者は、リノール酸の適正量(AI)として2∼3 エネルギー% 、目標量(DG)として3エネルギー% 、上限量(UL)として<4%を提案する(日本人の平均的なω3脂肪酸摂取量の成人に対して)。他の機関で提唱されている DG あるいは ULとしての<10 エネルギー%は本学会総会の決定とは相容れず、非常に危険なものであることを強調する。

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© 2008 日本脂質栄養学会
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