抄録
2004年新潟県中越地震の発生前まで, 地震に伴う初生岩盤地すべりや再発型の地すべりなど狭義の地すべりの発生は非常に稀であるとされていた。しかし, 2004年新潟県中越地震, 2007年新潟県中越沖地震および2008年岩手・宮城内陸地震, さらに海外の1999年台湾集集地震や2005年パキスタン北部地震に伴って第三系の堆積岩分布地域で大規模な地すべりが相継いで発生した。本稿では, 2008年岩手・宮城内陸地震に伴う荒砥沢ダム上流の大規模地すべりの現地踏査により明らかになった地すべり変動構造と地すべりの発達史を述べる。さらに他の大規模地震に伴う第三系の地すべりとの比較より, 地質, 地形, すべり面, 変動形態など共通する発生要因に関して考察を行った。